読むふるさとチョイス 地域の挑戦者を応援するメディア

地域は“コミット✖️再投資”でもっと良くなる【高知・地域商社】パンクチュアル

ローカルに根差す地域プレーヤー。そんなプレイヤーが複数集い、日々、魅力づくりに邁進しているのが「ふるさと地域商社」です。彼らのユニークな取り組みを紹介する連載をスタート。

元公務員の守時健さんが創設したパンクチュアルは、高知県須崎市に本拠地を置く会社。自治体からふるさと納税事業代行などを受託すると、その地域にスタッフが住み込み、住民と協力して地域活性化に取り組むのが特徴です。地域の魅力や価値をとことん理解し、マーケティングを駆使することで、昨対比2000%の自治体も。

コミット×再投資で地域のお金を循環させる

須崎市のほか、さまざまな自治体からの問い合わせが届くというパンクチュアル。その事業形態はフレキシブルでフットワークが軽い。

「我々の特徴として、受託したらその自治体に営業所を作るんです。スタッフは住民票を取り、そこに住みます。(営業所のスタッフの)半分位はその地域で雇用。自分の地元を盛り上げたいという強い想いを持った人がたくさんいるんですよ」

パンクチュアルから派遣されるスタッフと地域住民が同じ場所で働きながら、どうすれば地域がもっと盛り上がるかを考える。

「地域の人が気付いていないこともあるんです。たとえば地域の人が『うちの地域のこの商品は絶対売れる』と思っていても、そういう商品はどこの自治体にもあるんだよなぁ……ということも。うちは全国規模で事業展開しているので、最新のマーケティングがわかります。そこの掛け合わせのようなことをしていきますね」

パンクチュアルがこれまで手がけた支援の中でも、特に成長著しい地域を聞いてみた。

「沼津がすごいですね。魚貝などの工場もあり、干物も強い。それから徳島は最近とても伸びました。徳島はふるさと納税の寄付金額が最下位でした。県全体で20億円程でしたし、僕らが入っても一年では倍の金額に届かなかった。ですが今年は600%位になってきました」

順風満帆のように見える成果だが、「最初の一年がしんどい」と守時さんが教えてくれた。

「地道な人間関係構築が必要です。『こういう商品がもっと売れると思いますよ』と提案しても、最初は『本当?』という感じ。やってみて商品が売れだすと、『今度飲みに行こう!』となることがよくあります(笑)。ITを使って事業支援していますが、僕らは事業者さんとのコミュニケーションに一番力を入れています」

会社として大きく成長しつつ、地域にとことん入り込むことをポリシーにしているのは、守時さんが公務員時代に感じた歯がゆさも大きい。

「地方創生は、広告代理店がすごくお金をかけてプロモーションすることがありますよね。極端な反対側にいるのは、地域のためにボランティアでやっている人ですが、利益がないとできることもできない。どっちも続かないなと思っていました。再投資するためには地域が儲からないといけません」

「地域でお金を循環させて、地域の外にお金を出さないようにしたい。だから僕らは地域に営業所を作って地域に住んで、地域雇用する。それで利益が出たら地域に再投資するんです」

利益を出して再投資するという循環は、地域の事業継続につながる。

「僕らは地域密着なのでスピードが速い。それで売り上げも伸びるので、地域の事業者さんからも『コロナで危なかったけど、本当に助かった』と褒めてもらえるところまでやり切れます。良いときは一緒に喜んで、悪いときは一緒に悩む。当事者感がすごくあります」

パンクチュアルが目指すのは「地域が自力で稼ぐ」こと。スタッフは地域にコミットし、得た利益を地域に還元する方法を試行錯誤中。「地域は“コミット✖️再投資”でもっと良くなる」。ふるさと納税を起爆剤としながら、ふるさと納税に依存しない体制づくりも重要だと、守時さんは考えます。

他にも、名産品をバズらせるSNSマーケティングの事例、元公務員という視点から見えたふるさと納税のメリットについて、『ふるさと納税地域商社会』で守時さんが語っています。

『ふるさと納税地域商社会』

TOPへ戻る