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「復興のシンボル」が照らす未来への光【クリムゾンクローバー】

福島県の東部に位置する葛尾村では、5月下旬から6月にかけて畑一面に広がる花畑を楽しめます。まるで深紅の絨毯を広げたような美しい景色は口コミで広がり、開花時期には満開の花畑を一目見ようと観光客が訪れます。

そんな葛尾村は、東日本大震災での原発事故によって全村避難を余儀なくされた村でした。畑に広がる深紅の絨毯は、実は葛尾村の復興のシンボル。どのようにしてこの美しい景色が作られたのでしょうか。

もともと農業が盛んな地域だった葛尾村。しかし、5年間に及ぶ全村避難と除染作業によって畑の地力が低下。作物が育ちにくい土地になってしまいました。震災前のように作物を育てるには、土づくりに10年はかかるといいます。地力を回復させる試みとして、いちごのような真っ赤なクリムゾンクローバーを緑肥として栽培することにしました。

地力回復のための試みでしたが、開花時期の景色が話題となり、多くの観光客が葛尾村に来るようになったのです。

葛尾村にとって復興のシンボルでもあるクリムゾンクローバー。2021年はふるさと納税の寄付金を使って昨年の1.5倍もの種を作付けできました。

開花時期は5月下旬から6月上旬。次の開花時期には一面深紅に染まる美しい景色を楽しめるでしょう。

(文:小笠原華純)

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